事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

刑事コロンボを全部観る~Vol.42「美食の報酬」

2012-03-26 | テレビ番組

Thegodfathersagaimg02 Vol.41「死者のメッセージ」はこちら

コロンボも長いシリーズとなり、作り手もその長さを利用してさまざまなお遊びをしこんでいる。登場の仕方に凝ったりね。

前回は例の金庫のなかから(声が先に聞こえる)ヌッとあらわれ、料理がネタになっている今回は、殺人現場となったレストランの、まさしくそのテーブルでお料理をおいしくいただいちゃってる。ピーター・フォークの愛敬全開。

被害者はそのレストランのオーナー。演じているのはマイケル・V・ガッツォ。名作「ゴッドファーザーPARTⅡ」で“シチリアの男らしい”最期を見せた人。すばらしい演技だったなあ。今回も、卑劣で、かつ余裕たっぷりの犯人(ルイ・ジュールダン)に激昂する様子を、吹替の藤岡重慶の丹下段平っぷりもあってみごとに。死の瞬間にはちゃんとゴッドファーザーふうの音楽が流れるのね。

ミステリとしての核は『栓を開けていないワインボトルにどうやって毒をしこんだか』だ。

毒の種類は、オープニングからフグであることが連想されるようになっている。おそらく日本人以外にはフグ毒はおなじみではないだろうから、この作品で驚いた人も多かったろう。わたしはトリックのタネになる“道具”を知らなかったので別の方面で驚きました。

美食のお話なので、

被害者→イタリア人

加害者→フランス人

という取り合わせは納得。しかし文字どおりとどめをさしたのが日本料理(フグ刺し)だったのはちょっとうれしい。マコ岩松が「小津さん」という名で出てくるあたりのサービスも。コロンボを魅了する芸者さんは圧倒的に変だったけど。

犯人がワインオープナーを持ってコロンボの背後に迫る、微妙な緊張感を漂わせるお遊びカットもあって演出も快調。撮ったのはジョナサン・デミ。のちに「羊たちの沈黙」を監督したあの人です。

Vol.43「秒読みの殺人」につづく

コメント (1)
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