事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「28日後…」&「28週後…」

2009-02-22 | 洋画

28weekslater02_2  「28日後…」28 Days Later…(2002 FOX)
監督:ダニー・ボイル 出演:キリアン・マーフィ クリストファー・エクルストン ナオミ・ハリス

スラムドッグ$ミリオネア」でアカデミー賞確実な(勝手に断定)ダニー・ボイルのゾンビ映画。とんがった監督が嬉々として(のように見える)ショッカーを撮る気持ちはわからないでもない。確かによく出来ているし。しかしもっと撮らなければならないものがあったのでは?ゾンビ化はきっと何かのメタファなんだろうけどねぇ……。

劇場公開版とDVDではエンディングが違う。ハローの意味が……☆☆☆★★★

「28週後…」28 Weeks Later…(2007 FOX)
製作総指揮:ダニー・ボイル 監督:ファン・カルロス・フレナディージョ 出演:ロバート・カーライル キャサリン・マコーマック

ボイルが製作にまわった続篇は、子どもが主人公であることで地獄っぷりが前作を上回る。ひょっとしたら撮りたかったのは『英国沈没』だったか、とも思う。無人のイングランドの美しさは息を呑むほどだ。それにしても、イギリスの国家的災害においてやってくるのはNATOじゃなくて米軍が前面に。そりゃ、西部劇っすか。騎兵隊ってことすか。

なぜあの家系だけが感染しないか……ヨーロッパ人たちはちゃんと納得したのだろうか☆☆☆★★

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「赤めだか」立川談春著 扶桑社刊

2009-02-22 | 芸能ネタ

Akamedaka01 談志の落語は、落語である前にジャンルとしてまず談志なのだろう。だからこそ信奉者にはこたえられないのだし、弟子たちも彼の理不尽さを一種の「神の気まぐれ」と受けとめるのかもしれない。

しかしわたしは談志以前に落語が好きな、(談志ファンからすれば不幸な)常識人なわけで、だから世評高いこの本に対して、一種の警戒心をもって読まざるをえなかった。息苦しさはそのせいだろうか。芸事とは、落語とは、こんなにも求道的でなければならないのか?

タイトルは文句なしにおみごと☆☆☆★★★

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「池袋ウエストゲートパークⅧ / 非正規レジスタンス」石田衣良著 文藝春秋社刊

2009-02-22 | ミステリ

Iwgp8 「池袋ウエストゲートパークの行方」はこちら

新作も、つくづくうまいものだと思う。非正規雇用、シングルマザー、無保険、派遣などの時事ネタをとりこみ、池袋のトラブルシューター、マコトを通して世直しを訴える……このシリーズに石田はそんな公式をあてはめている。展開ははっきりと時代劇か西部劇だ。

売れ行きもウエストゲートパークと他では全然違うらしいので、若者を革命に煽り、旧世代に反省を求めるのは石田にとって池袋の地が最適だということだろう。まあ、大金持ちのジュニアたちにその改革をまかせるあたりが限界といえば限界。

でもこの寸止めがあるからこそ、石田は安心してテレビのコメンテーターに起用されるわけだ。格差社会の学習テキストを、保守本流である文藝春秋から刊行するにも、こんなテクニックと、売れ続けることが必要なんだな。みんな、買えよ。

前のように“熱い”悪人は出てこない。時代のせいで悪も疲弊している

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