事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

続・追徴2 ~ 国民の義務

2009-01-02 | 社会・経済

Gasho02 PART1はこちら

“さきに申告相談のご案内を差し上げておりましたが”ってそんな案内文書は見ていないのだが。まあそれはいい。問題は、わたし自身に心にやましいものがあるってことなのだ。「追徴」シリーズで母の死亡保険金がらみの税金トラブルをお伝えしたとき、すでにその萌芽はあった。離農して以降、わたしは農業収入について申告をやっていないのである。

「納税は国民の義務だろっ!」

いてっ!その指摘は痛い。でもわたしにも言い分はある。

 兼業農家だったわたしは(形の上では今でもそうなんだけど)、常に水平線飛行をつづける営農口座の残高にため息をつき、夏と冬のボーナスから50万円ぐらいずつ給与収入から入金していた。オレはいったい何のために働いているんだと脱力。

 そして領収書をかきあつめ、JAが発行する明細書と首っ引きで青色申告していたのである。申告用ソフトを使っても妻とふたりで一週間ぐらいはかかるのよこの作業は。

 で、JAに全面委託をすることになったので、農業収入はその委託料だけ。10㌃あたり2万円強。ウチの水田は381㌃なのでほぼ80万円の収入ということになる(なんでオレはこんなに正直に語っているんだか)。

 こんなもん畑の種苗費や農機具の減価償却、そして土地改良区費で吹っ飛んでしまうのが確実なので、バカバカしくて申告する気になれなかったのである。

 もっと正直に言おう。ちゃんと申告すれば農業収入がマイナスになるので、源泉徴収されていた所得税をとりかえすことができるかも、とまで考えていたのだ。でもね、あのヘトヘトになるような申告を(妻とケンカしながら行うのが恒例)行うぐらいなら税金を払うぐらいはどうでもいいや、とも思っていたの。

 ところが。こんな文書が来るぐらいなのだから、と久しぶりに営農口座をながめてびっくり。土地改良区費は毎年70万円をこえる額だったのに(子々孫々にいたるまでこの借金はつづく)、去年は40万ちょっとしか引き去られていない!

「どうしてこんなにお安くなったのかな。なんかの間違いじゃない?」

「あたしは言ったわよ。土地改良区費が安くなってる、って」と妻は主張。

「ホントに?」

「ホントよ!」

ああまた申告のときのような諍いが(^_^;)。以下次号

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続・追徴 ~ 督促状

2009-01-02 | 社会・経済

Fuki01 追徴初体験篇はこちら

Photo 「ひろしさん、こんなのが来たんだけど」
妻が市役所からの封筒をもってくる。発送者は税務課市民税1・2係。いやな予感。
厚口の黄色いA4判ペーパーの内容は以下のとおり。

平成20年度市・県民税の申告相談について

 さきに申告相談のご案内を差し上げておりましたが、まだ申告がお済みでないため、あなたの平成19年分の所得が不明となっております。
 つきましては、申告相談(内容の確認)を下記の日程で再度実施しますので、必ずおいでいただきますようお願いいたします。
 なお、当日都合のつかない場合は、電話でご連絡くださるようお願いいたします。

※確認事項 【営業・農業・不動産・給与・年金・その他年間の収入】

※ご持参いただくもの
◎所得算定の基礎となる資料
◎所得控除額の算定に必要な資料
◎印鑑、お知らせの文書(この文書)

うーん、この文書ってなんかに似てるよなー。事務的なタッチの陰にうかがえる、絶対来いよな、という突っこみ。あ、オレが毎月出してる集金の督促状にそっくりなんだ(T_T)。以下次号

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「たまには、時事ネタ」 斎藤美奈子著 中央公論新社刊

2009-01-02 | 社会・経済

4120037975 婦人公論の連載なのでどうしても啓蒙臭はつきまとう。軽い読み物のつもりだったのにどんどん政治的になってしまったのは、連載とかぶっていた小泉時代の息苦しさがあったからだ。仕方のないことか。

彼女の講演会がこの秋に酒田でもあったのだが、講師よりも観客の方におそれをなして(男女共同参画がらみの講演会だった)行けずじまい。仕方のないことか(笑)。

斎藤は現在もっとも信頼できる評論家のひとり☆☆☆★★

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「談志絶倒昭和落語家伝」 立川談志著 写真:田島謹之助 大和書房刊

2009-01-02 | 芸能ネタ

Danshi01 談志の、この強烈な自意識を後世の落語家たちはどう評価するのだろう。あくまで彼の主観や経験で黄金時代の落語家たちをぶった切って見せる芸談集。

もはや落語の現役の演者ではなくなった談志だが、オレの存在自体が落語だ!と彼は主張する。評判しか知らなかった桂文楽や三木助のポートレイトがうれしい本。師匠である小さんへの愛憎はすごい。

つくづく、馬生は惜しいことをした☆☆☆★

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