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なんとなんと、アカデミー賞外国語映画賞受賞。
“地元民”として素直にうれしい。ロケーションに参加した人たちはまして大喜びだろう。徹底してローカルにこだわったつくりが、結果としてインターナショナルにつながるとは示唆に富んでいる。
日本アカデミー賞を総どりした関係もあってか、週末に行われた旧平田町のシアターOZでの上映会は(上映回数を増やしたにもかかわらず)立ち見まで出たそうだ。シネコンがとりこぼしている観客はやはり数多いということなのだろう。そのシネコンにしても、本家を受賞したことでますます動員は伸びるはず。県内で8万人が観たそうだが、まだ100万人以上が観ていないんだしね。
それにしても運が強い。本命視されていたイスラエルのアニメは、このご時世だからなかなか票が集まらなかった(ハリウッドがユダヤ人社会であるがゆえに)こともあるだろう。しかしその運をいかすことができるのも作品の力だ。
もちろん、こんな僥倖(と言っては失礼だが)はそう存在しない。でも、誰が『納棺師』という縁起でもない題材の映画が興収30億をかせぎ、しかもアカデミー賞をゲットすると想像しただろう。映画というメディアには、まだまだ奇跡が存在するキャパシティがある。そのことが、なによりもうれしい。近所で撮られていた、あの映画がねえ。
「たそがれ清兵衛」につづくノミネート、そして今回の受賞と、庄内ロケはゲンがいい。さて、次の地元映画で期待できるのは……「山形スクリーム」(ギャガ)と「リトルカントリー」(松竹)っすか!
※「ヒロスエ、負けてねぇ。」アカデミー賞関係のニュースで、レッドカーペットを歩く「おくりびと」チームを見てつくづく。って誰と比べてるんだオレは