PART5はこちら。今回もレスを。
(略)実は、この人は、耳がかなり悪い。補聴器を時々使っている。彼から相談される。
「医者からは障害者手帳をとれるが、と言われたが、人事や、給与等でどうなるんだ?」
「え~、そんなので人事で不利益なんてありえないし、給与や身分で何かなったら、それこそ訴訟ものだろう。」
「う~ん、でも……」
「だって、障害者手帳って、本人に(程度にもよるが、税金、交通費、その他もろもろ)利益になるからあるのであって、不利益になるはずがないじゃないですか。」
「管理職登用の話になると、このことで不利になったりすることはありえる?」
この人の場合は、学校関係職員の「障害者」のひとりとしてカウントされているが、別の同僚で、人工関節を入れている職員は、障害者手帳を実は持っていても、教委にもそのことは表にしていないし、人事調書にも書く気はないらしい。理由は、レッテルを貼られるのがいやだから。
障害者手帳を取得する、ということだけでも気持ちの中で葛藤はあったみたいです。理屈の上では、お金等の面でかなり優遇されると言っても、手帳をもらう、ということは、障がい者というレッテルを貼られることには間違いないですから。
採用試験だって、合否を決めるときに、例えば、健常者と障がい者が同点だったときに、障がい者が落とされる、ということが絶対にない、という保証がない以上、憶測や不安はあるでしょうから、二の足を踏む、ということも無きにしもあらずかもしれませんね。結局、突きつめると、世の中が……という話になってきそう(ならざるを得ない)ですね。
……障害者を守ろうと思っても、現実には多くの壁が。だからこそ、障害者であることすらカミングアウトしないという例は、なかなかに考えこませる。
PART7につづきます。