事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

古畑任三郎を全部観る Vol.24「しばしのお別れ」

2009-02-10 | テレビ番組

Yamaguchitomoko02 第23話「ニューヨークでの出来事」はこちら

セカンド・シーズン最終回90分スペシャル。タイトルのとおり、SMAPとのスペシャルまで3年間のお別れとなる回だった。視聴率はなんと34.4%!この数字は、サード・シーズンやファイナルでも破られていない。このあたりから、額に手を当て、鼻づまりな声で「えー」とやる“古畑任三郎のものまね”が全国的に流行。つまりドラマの枠をこえて古畑はイベント化したのだ。

高視聴率の要因はもっとある。山口智子だ。「しばしのお別れ」のオンエアは1996年3月27日。木村拓哉の回でもお知らせしたように、翌月の15日からオンエアされたのがあの「ロングバケーション」。前年末に結婚した彼女の、まちがいなくキャリアの頂点の時期。踊りながら花を生ける奇矯な殺人者を演じて、匂うように美しい。「VSクイズ王」の犯人役は唐沢寿明だから、このカップルは殺人夫婦ですな。

 三谷ドラマに、もっとも愛された女優も山口智子だろう。今回の二葉鳳翆役は「王様のレストラン」のしずか役がそのままシフトしているかのよう。負けず嫌いで、気丈にふるまいながら、しかしどこか脆さを感じさせてすばらしい。うちの奥さんも感嘆していました。「あの人はとにかく足が長いのよっ!」ああそうですか。

 最終回ということで、ミステリとしてもこれまでの総括のようなつくりになっている。

さよなら、DJ」の桃井かおりのように山口を全力疾走させ、

殺しのファックス」のように電化製品(今回はビデオの倍速がヒント)に執着し、

動く死体」のようにまたしても故障中の自動販売機がキーになり、

そしてなにより“舞台の上にいる人間しか犯人でありえない”設定は、舞台人である三谷の本領発揮だ。被害者(長内美那子)との同性愛関係が、動機だけでなく証拠につながるあたりもうまい。

【総集編「消えた古畑任三郎」につづく】

コメント (2)
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