役者としての資質

本当は個人役者感想書こうと思ったけど千秋楽で気落ちしたので止めます。

ただ、健ちゃんに関しては生で観て鳥肌が立ったのは事実なので（彼と海斗さんの歌声だけだった）可能性を信じます。もっともっと精進して本物になってくれ。

というわけで彼の歌、演技について全体的な感想


すごいなと思ったのは切り替わる表情、声、存在感
ミュージカルは歌は上手いのも大切だけど、気持ちがどれだけ入ってるかは表情に来るんですよね。そのへんがすごい。役に入り込んでるんだと分かる。生で聞いたカンタレラはこう胸をぎゅーっと掴まされたちょっと涙が出たよ。

そして最後のシーン　あれはおそらくチェーザレが死んだ後なんだろうけど、王座のイスに座るものの、そこに何もなく自分一人しかいない事に気付いてからの絶望の演技は凄かった。目とかに気持ちが表れていてそれを見るだけで哀れで悲しくて泣けてしまったよ（泣いてばっかりだな）

千秋楽のカメラワークは嫌いだけど、チェーザレがゆっくり王座に向かっていく足をしっかり映してた。
これが良かった。上手く説明できないけど何だか凄い印象に残った。

足りないものはいっぱいある。

思ったより滑舌悪いなーとか、体の演技はワンパターンだなーとかダンスが何か綺麗じゃないなあとかね。
アドリブが苦手なとこみると小劇場系ではなくシリアス芝居に向いてるなと思ったり、歌をもっとレッスンすれば本格ミュージカルに出れそうなのに中途半端だとかね。

カンタレラでは一番演技が出来てるとおもったのは郷本さん、歌は渡辺さん、ルークさん
健ちゃんはどっちも中途半端、でも凄いなと思った部分にキラリとしたものを感じたんですね。

今の若手全員に言えることだけど、仕事を詰めすぎてろくに練習もやれないまま次の舞台に立たされる。
恐らく事務所側が今が稼ぎ時だからとそうさせてるんでしょうけどね。後、経験値もか。

それにファン自体が常に何かに出てるという状況を望んでるんですね。ちょっと間が空くだけで売れなくなったとか、仕事がないと嘆く。

私は使い捨てのような若手俳優の状態が見ていて辛いです。才能のあるかもしれない子が一年中舞台、イベント稽古に追われ心も体も疲弊して崩れていく。

健ちゃんは自分を「商品」だと言い切っていました。立場が良く分かっている賢い子だと思います。
けど、こういう発言をさせてしまう状態を作った事務所が許せない。

私は新参のファンだけど、彼の演技に惚れて可能性を信じているからこそもっと余裕を持って仕事をさせてほしい。ワークショップに時間を費やしてもいいじゃない。歌のレッスンや基礎練習もばんばんやってほしい。
場数を踏んで急成長をという方針なのかな。

カンタレラの舞台を観にきていた社長は何も疑問に思わなかったのかな。

もったいないなあ、ほんともったいない。