日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「ともに行く道」「雨に葉音の」2首

2024年06月02日 | 日記
 久しぶりに新しい歌が2首できました。懐かしい昔の人の、遠い思い出のおかげです。

 遠い昔の、懐かしく慕わしい人を思いながら、森の辺の道を歩いていると、すぐ近くや、また遠くで、さまざまな鳥の鳴き声がつづき、曇り空の下、しめった空気のなかに、満ちています。

近く遠く かつ鳴きわたる 鳥の声
古へ人と ともに行く道

(昔の人を思いながら歩いている道、すぐ近く、また遠くで、さまざまな鳥の鳴き声がして、あたりに満ちています)

 開けた並木道に出ると、高い枝が風に吹かれたのか、音が降ってきました。かと思うと、雨が降りはじめて、瑞々しい葉音がして、空に膨らんでいくようです。

吹く風に 枝音やたつ
降りそむる 雨に葉音の ふくらみてゆく

(風に吹かれて、枝音が降ってきたのかと思うと、小雨が降りはじめて、瑞々しい葉音が、空に膨らんでいきました)

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