前回の歌を再録します。
大枝に 積む雪のごとく 白き花 若葉の風に ゆれゆらぎつつ
これはとくに夕暮れ時の歌ではありませんが、詠んだのは夕方でした。
情景そのものが夕暮れの歌を3つ、推敲が済みましたので、やや時期遅れの冬の歌も、いっしょに載せておきましょう。
冬の野に 木立を漏るる 夕映えの たぎる黄金と あふれこぼるる
(冬の野の落葉した木立から、夕映えが黄金を溶かしたようにあふれ、木の間の網をこぼれそうに溜まっている)
夕空に 紅引く雲の 襞よりて 暗き木立の 薄衣を着る
(暮れようとする夕空に、暗く薄い紅色の雲が幾筋か、襞のようにたなびき、木立の上に薄衣のようにかかっている)
木漏れくる 光の筒に 音もなく 群れ飛ぶ虫の 映えゆらぎつつ
(木漏れ日が光の筒となった、洞窟の出口のようなところに、羽虫の群れが音もなく飛び回り、光に浮き上がって、ゆらゆらと揺らぎ続けている)
3つめの歌には、「ゆれ」「ゆらぐ」という、私の好きな言い回しが出てきます。羽虫のようなものでも、ゆらいでいるのを見ると、見入ってしまうようです。
大枝に 積む雪のごとく 白き花 若葉の風に ゆれゆらぎつつ
これはとくに夕暮れ時の歌ではありませんが、詠んだのは夕方でした。
情景そのものが夕暮れの歌を3つ、推敲が済みましたので、やや時期遅れの冬の歌も、いっしょに載せておきましょう。
冬の野に 木立を漏るる 夕映えの たぎる黄金と あふれこぼるる
(冬の野の落葉した木立から、夕映えが黄金を溶かしたようにあふれ、木の間の網をこぼれそうに溜まっている)
夕空に 紅引く雲の 襞よりて 暗き木立の 薄衣を着る
(暮れようとする夕空に、暗く薄い紅色の雲が幾筋か、襞のようにたなびき、木立の上に薄衣のようにかかっている)
木漏れくる 光の筒に 音もなく 群れ飛ぶ虫の 映えゆらぎつつ
(木漏れ日が光の筒となった、洞窟の出口のようなところに、羽虫の群れが音もなく飛び回り、光に浮き上がって、ゆらゆらと揺らぎ続けている)
3つめの歌には、「ゆれ」「ゆらぐ」という、私の好きな言い回しが出てきます。羽虫のようなものでも、ゆらいでいるのを見ると、見入ってしまうようです。