12月27日に載せた歌の推敲です。
きぎのまゆ さしいるひかり あまさかる やまなみのきわ ひたあおにてる
木々の間ゆ さしいる光 天離る 山並の際 ひた青に照る
(木々の間から斜めに差し込む光を、切れ切れに浴びながら歩いていくと、木立の途切れたところで、遠くの山並の上に、雲一つないまっ青な空が広がっていました)
改悪になる危険を犯して、推敲してみましょう。「木漏れ日」「天離る」を分解、活用させて、かつ枕詞「天離る」が「日」「ひ」にかかることを流用します。技術的な説明すればそうなりますが、読み上げてみると、むしろ素直な調べになっており、わかりやすくなっているのではないでしょうか。
つちのへに こもるるひかり あまさかり ひたあおにてる やまなみのはて
地の上に 木漏るゝ光 天離り ひた青に照る 山並の果て
(木々の間から斜めに差し込む光を、切れ切れに浴びながら歩いていくと、木立の途切れたところで、遠くの山並の上に、雲一つないまっ青な空が広がっていました)
あるいは、最初の歌は、2、4句めで切れて、かなり古風な響きがしますので、4、5句めを入れ替えて推敲すると、つぎのように、やや中世風に滑らかになります。これを最終版とします。
木々の間ゆ さしいる光 天離り ひた青に照る 山並の際
ついでにざれ歌を1つ。
だいぶ前に、「となふれば・・」という言葉が浮かびました。一番有名なのは、「我も仏もなかりけり南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」という、一遍上人の歌でしょう。この歌の連想が強すぎたからでしょうか、続いて出てきたのは、「あいうえお南無阿弥陀仏」というものでした。まるで空念仏のようです。「あいうえお・・」は、子供が小さい時の私の子守唄で、五十音に単調なリズムと旋律をつけて歌って聞かせていました。
小高い森に歩み入る情景と重ねながら、一遍上人の本歌取りとして、つぎのようなざれ歌になりました。
とのうれば あいうえお なむ あみだぶつ くさをむすびて やまにいらなん
となふれば あいうえお 南無 阿弥陀仏 草を結びて 山に入らなむ
(ふと口をついで出た「あいうえを」「南無阿弥陀仏」という言葉を唱えながら、古人にならって、草を結んで道行の幸いを願い、山に踏み入ろうと思います)
***『歌物語 花の風』2011年2月28日全文掲載(gooブログ版)***
***『和歌集 くりぷとむねじあ』2011年10月26日全文掲載(gooブログ版)***
きぎのまゆ さしいるひかり あまさかる やまなみのきわ ひたあおにてる
木々の間ゆ さしいる光 天離る 山並の際 ひた青に照る
(木々の間から斜めに差し込む光を、切れ切れに浴びながら歩いていくと、木立の途切れたところで、遠くの山並の上に、雲一つないまっ青な空が広がっていました)
改悪になる危険を犯して、推敲してみましょう。「木漏れ日」「天離る」を分解、活用させて、かつ枕詞「天離る」が「日」「ひ」にかかることを流用します。技術的な説明すればそうなりますが、読み上げてみると、むしろ素直な調べになっており、わかりやすくなっているのではないでしょうか。
つちのへに こもるるひかり あまさかり ひたあおにてる やまなみのはて
地の上に 木漏るゝ光 天離り ひた青に照る 山並の果て
(木々の間から斜めに差し込む光を、切れ切れに浴びながら歩いていくと、木立の途切れたところで、遠くの山並の上に、雲一つないまっ青な空が広がっていました)
あるいは、最初の歌は、2、4句めで切れて、かなり古風な響きがしますので、4、5句めを入れ替えて推敲すると、つぎのように、やや中世風に滑らかになります。これを最終版とします。
木々の間ゆ さしいる光 天離り ひた青に照る 山並の際
ついでにざれ歌を1つ。
だいぶ前に、「となふれば・・」という言葉が浮かびました。一番有名なのは、「我も仏もなかりけり南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」という、一遍上人の歌でしょう。この歌の連想が強すぎたからでしょうか、続いて出てきたのは、「あいうえお南無阿弥陀仏」というものでした。まるで空念仏のようです。「あいうえお・・」は、子供が小さい時の私の子守唄で、五十音に単調なリズムと旋律をつけて歌って聞かせていました。
小高い森に歩み入る情景と重ねながら、一遍上人の本歌取りとして、つぎのようなざれ歌になりました。
とのうれば あいうえお なむ あみだぶつ くさをむすびて やまにいらなん
となふれば あいうえお 南無 阿弥陀仏 草を結びて 山に入らなむ
(ふと口をついで出た「あいうえを」「南無阿弥陀仏」という言葉を唱えながら、古人にならって、草を結んで道行の幸いを願い、山に踏み入ろうと思います)
***『歌物語 花の風』2011年2月28日全文掲載(gooブログ版)***
***『和歌集 くりぷとむねじあ』2011年10月26日全文掲載(gooブログ版)***