日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

夕べの道、雨の道、各1首

2022年07月15日 | 日記
夕べの道

 猛暑が続いて、夕方の散歩が、日が傾いてからの散歩になりました。緩やかな降り坂を歩いていくと、暖色の街灯がぼんやりと灯っているのに気づきました。

ゆるやかに あかりのともる ひとつふたつ このまがくれに みぎにひだりに
ゆるやかに 明かりの灯る ひとつふたつ 木の間隠れに 右に左に
(ゆるやかな坂道を歩いていくと、左右にぼんやりした街灯がぽつりぽつり灯って、木の間に見え隠れしています)

雨の道

 雨の降り出した夕方、道端に暖色の花が群れ咲いて、瑞々しく輝いていました。歩いているうちに雨脚が強くなると、蝉や鳥の鳴き声が水音に溺れそうです。

あめにはゆる ひとむれのはな ふりまさる おとにまぎるる とりむしのこえ
雨に映ゆる 一群れの花 降りまさる 音に紛るる 鳥虫の声
(群れ咲く花が小雨に濡れて艶めき、鳥と虫の声は、激しくなった雨音に溺れそうです)

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