日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「葉風を透きて」1首

2018年06月01日 | 日記
 夏日、真夏日が繰り返すころのある日、高く生い茂った夏草の脇を歩いていると、風もなく物音もほとんどしない細道で、歩みがしだいに遅くなり、足元で土が擦れるかすかな音を聞きながら、立ち止まりました。
 天井を覆う葉風の網目を透して、遠い物音が、耳元のささやきのように聞こえます。

なつくさの ひそまるもりに とおきおとの はかぜをすきて そそぎささめく
夏草の ひそまる森に
遠き音の
葉風を透きて 注ぎさゝめく


(高く生い茂った夏草が、音もなくひっそりとした森の細道に、遠い物音が、葉風の網目を透して、耳元のささやきのように聞こえてきます。)

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日守麟伍ライブラリ
くりぷとむねじあ歌物語
http://book.geocities.jp/himringo/kuriuta.htm
くりぷとむねじあ和歌集
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古語短歌への誘い
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