日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

春の冷たき雨 2首

2022年04月04日 | 日記
 開花の早かった桜は満開を過ぎ、まだ散り残っていますが、散ったあとが赤らみ、若葉が芽吹きはじめ、つかの間の色合いをみせています。冬のような寒さのあと、ここ数日は冷たい雨も降っています。

春なれど 冷たき雨の 降る森に 散り残りたる 花の広がり
(桜も散ろうとするころなのに、冷たい春の雨の降る森を行くと、散りかけた桜にはまだわずかに花が残り、しめやかに枝を広げています)

 小道に入ると、片側の小笹の葉に、桜の花びらが点々と散り落ちていました。

笹の葉に 幾ひらの花 散り置きて かぼそき雨に 淡く打たるる
(笹の葉に落ちた桜の花びらが、弱い雨脚に打たれて、しずかに揺れています)

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