日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「赤き花道」再録

2018年03月28日 | 日記
 いつも歩く公園のゆるく曲がった階段の、不揃いな低い欄干の柱に、いつもの年のこのころと同じように、落ちた椿の花が飾ってありました。2016年4月7日にアップした歌を再録します。

のぼりゆく きざはしのはに たがおきし つばきのならぶ あかきはなみち
登りゆく きざはしの端に
誰が置きし 椿の並ぶ
赤き花道

(森の中の階段を登っていくと、不揃いな低い欄干の柱に、椿の花が並べてあり、赤い花道を歩いているようです)

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「神山の道」1首

2018年03月11日 | 日記
 古い都あたりのお社にお参りして、小高い裏山の頂にある奥宮まで、上りました。小雨が降ったり止んだりする中、ところどころぬかるんだ山道を歩きながら、小さな真新しい社殿にたどりつき、大前でしばらくお祈りしました。
 帰り道、にわかに霧がたち籠めてきて、降りていく私の体を包んで、まるでご眷属が送ってくださるかのように、濃淡になりながら、いっしょに下がってきました。

おくみやゆ おりきたるあを おくるがに きりたちこむる かむやまのみち
奥宮ゆ 降りきたる吾を 送るがに
霧たちこむる 神山の道


(裏山にある奥宮から、険しい参道を降りてくると、霧がたちこめてきて、まるで神が送ってくださるかのように、いっしょに下がってきました)


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「風のためいき」再録

2018年03月02日 | 日記
 2014年3月30日に初出、4月2日に推敲した歌を、再録します。

 この和歌は、雰囲気の景観atmoscapeを詠んだもので、読み返すたびに、胸がときめきます。自賛歌の1つです。

めぐむきに あからむもりの うすあおき そらにふくらむ かぜのためいき
芽ぐむ木に 赤らむ森の
うす青き 空にふくらむ
風のため息


(芽ぐんだ木々で森が一面に赤らみ、薄い青空を背景に静かに立っていたところを、風が木々を膨らませて、ため息のように吹きすぎました)

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