日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「蝉鳴きそむる」1首

2024年07月08日 | 日記
 関東は連日の猛暑日となり、日中は暑すぎて、ここ数日は、日暮れ前になって散歩にでかけるようになりました。昨日の散歩のおり、鳥も暑さが和らいだせいか、にぎやかに鳴きかわしていますが、そのなかに、蝉時雨の持続音がしているのに、気づきました。前日までは気づかなかったので、昨日やっと鳴き始めたのでしょうか。

日の暮るる 間際に満つる 鳥の声
けふ俄かにや 蝉鳴きそむる

(日暮れまぎわ、騒がしいほどの鳥の鳴き声に交じって、今日から鳴き始めたのでしょうか、昨日までは気づかなかった蝉しぐれが聞こえています)

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「この道を」1首

2024年07月01日 | 日記
 先月から左目に違和感があり、交通の便が悪い病院の眼科に通っています。行きはバス、帰りは歩いてくると、広い道路で車の通行量は多く、歩行者はほぼおらず、途中、工場やゴルフ場などが点々と続くばかりです。昔、あちこち住まいを探していたころ、物件までの道を歩きながら、この道は小さい子には歩かせたくないな、と思ったときのもの寂しさを、思い出しました。

この道を 子に行かするは いとほしき 我が身ひとつは 如何ならむとも
(このような人気のない道を、幼い子に歩かせるのはかわいそうだと思いながら、歩いています。自分一人ならば、どんな道でも、どうなってもいいのですが。)

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「夏の森」1首

2024年06月29日 | 日記
 梅雨の晴れ間、森の辺を歩くと、さまざまな鳥の鳴きかわす声が、蒸し暑いなかで、水気を含み、鮮やかに聞こえます。森に入ると、強い木漏れ日が差し込む道に、草が揺らいで、音と光と、絡まっています。

夏の森 鳴き交はす鳥
くさぐさに からまりゆるる
熱き木もれ日

(夏の森、さまざまな鳥の鳴きかわす声が、蒸し暑いなかで水気を含み、鮮やかに聞こえます。熱い木漏れ日が差し込む道に、草が音と光に絡まって、揺いでいます。)

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「雨音の」1首

2024年06月28日 | 日記
 関東地方も、先週から梅雨入りとなったようです。窓を開けて聞いていると、ホワイトノイズのような降り続く雨音に、ときおり路面や屋根を打つ音、集まって流れていく音が、不規則に混ざります。

雨音の 心をすすぎ 流れゆく 千々の思ひの あとやとどまる
(雨音を聞いていると、さまざまな物思いが、水に注がれて、行方もしれず流れていくようでもあり、残っているようでもあります)

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「真夏日の森」1首

2024年06月17日 | 日記
 関東は梅雨入りが遅れ、もう連日が夏日、ときに真夏日となります。
 数日前の夏日、日差しの強い中、森の辺の道を、大木の木陰を選んで歩き、高い草に覆われた森の道に入りました。蒸し暑く薄暗い森の中で、自分の体が身近に感じられるのは、いつも不思議な気がします。

大枝の 日陰を歩む
高草の 道に分け入る
真夏日の森

(真夏日、森の辺の大きな木の枝の陰を歩き、高草の道に入ると、不思議な安堵感に包まれます)

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