日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「飾り火」の歌

2014年11月29日 | 日記
 晩秋になり、日暮れが早くなりました。
 十日ほど前、夕映えが消えて空が青黒くなるころ、地表の暗がりに立っている小さな木の幹に、つる草が巻き付き、点々と付いた葉が紅葉して、どこの光に照らされたのか、ぼんやりとした電飾のように、浮き上がって見えました。

よるのきの はだにかがよう もみじばの かざりにまごう ほのあかきいろ
夜の木の
肌にかゞよふ
もみぢ葉の
飾りにまがふ
ほのあかき色
 
(暗がりに立っている木の幹に、つる草が巻き付き、点々と付いた葉が紅葉して、何かの光に照らされているのか、ぼんやりとした飾り火のようです)

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目くるめく空

2014年11月15日 | 日記
 秋の曇りの日、ビルに囲まれた狭い道を歩いてきて、大通りに出ると、目の前に白い空が、すぐ近くの壁のように立ちふさがり、見上げると、めまいがするほど果てしない高みまで聳えていました。人工の構造物が、なんと小さく思われることでしょう。

たかどのの まゆたちいでて くもりぞらの そびゆるはてに はためくるめく
高殿の 間ゆ立ち出でゝ
くもり空の 聳ゆる果てに
はた目くるめく

(高い建物に挟まれた道から、開けた通りに出ると、白い曇り空が、すぐ足元から立ち上がって見え、見上げると、空が果てしない高みまで、目くるめくほど聳えていました)

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