日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「しのび住む日々」他2首

2015年01月25日 | 日記
 世間の騒ぎから離れて、隠遁者のようにひっそりと過ごしている日々にも、理由が何とはわからない思いに、心がほのかにときめいたり、胸がかすかにふさいだり、胸がわずかに騒ぐことがあります。

 昔の、前世の、あるいはまだ来ぬ時代の、自分の思いか、人の思いかもわからない、夢の名残のような、不確かなことの予感のような、不思議な気がします。

しのびすむ ひびをおとのう われひとの ゆめのなごりや しるすべもなき
しのび住む 日々を訪なふ 我れ人の 夢の名残や
知るすべもなき

(ひそかに世を隠れ住む日々、理由が何とはわからない思いが訪れて、夢の名残のような、不確な気がします)

 後悔の気持ちで胸苦しさを覚えるのは、誰かを苦しめ悲しませたゆえでしょうか。その人は悲しくて悔しくて、寝られない夜を過ごしたことでしょうか。どう償いようもなく、申し訳ない思いで胸がいっぱいです。

われからに ひとやかなしみ ことひとや くやしきときを すぐしかねたる
我れからに 人や悲しみ
異人や 悔しきときを 過ぐしかねたる

(私のしたことで、誰かが苦しみ悲しんだことがあったら、その人は悲しくて悔しくて寝られない夜を、何日過ごしたことでしょうか)

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『日守麟伍ライブラリ』
『くりぷとむねじあ歌物語』
『くりぷとむねじあ和歌集』
『古語短歌への誘い』






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