夏日に近づく日があったかと思うと、寒の戻りがあったり、肌寒い雨が降ったりしました。二、三日、雨模様の中、いつもの道に通りかかると、もの思わせる湿った大気が、木立を潤していました。気配に耳を澄ますと、静けさの中に、いつものように遠近で、鳥の鳴き声がしています。
春の雨に この道を行く 静けさの 膨らむ森に はた鳥の啼く
(春の雨の中、いつもの道を歩き、耳を澄ませても、雨は音もなく静まり、静かに膨らんだ湿気の中に、遠近の鳥の声だけが聞こえてきます)
これと似た和歌を、だいぶ前に詠みました。初期のお気に入りの1首です。
春の雨は 森の雫と 下垂りて 静まる中に 鳥鳴き渡る
(春の雨が樹幹のまばらな森に降ってきて、ところどころで雫となって滴り、静かな音を立てる中に、鳥が一声長く鳴いて、飛んでいきました)
(『古語短歌』51ページ、『くりぷとむねじあ和歌集』36ページ、106ページ、)
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日守麟伍『古語短歌――日本の頂点文化』
Amazon Kindle版、NextPublishing Authors Press版、2019年
日守麟伍『くりぷとむねじあ和歌集――言霊の森』
Amazon Kindle版、NextPublishing Authors Press版、2019年
春の雨に この道を行く 静けさの 膨らむ森に はた鳥の啼く
(春の雨の中、いつもの道を歩き、耳を澄ませても、雨は音もなく静まり、静かに膨らんだ湿気の中に、遠近の鳥の声だけが聞こえてきます)
これと似た和歌を、だいぶ前に詠みました。初期のお気に入りの1首です。
春の雨は 森の雫と 下垂りて 静まる中に 鳥鳴き渡る
(春の雨が樹幹のまばらな森に降ってきて、ところどころで雫となって滴り、静かな音を立てる中に、鳥が一声長く鳴いて、飛んでいきました)
(『古語短歌』51ページ、『くりぷとむねじあ和歌集』36ページ、106ページ、)
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