日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「今日の嬉しさ」1首

2015年05月24日 | 日記
 夏のような天気の中、斜面が若草で覆われて、陰のできないような角度で、日に照らされていました。思いがけない眩しさに、目を細めて見ていると、何ということもなかった一日の終わりが、嬉しい気持ちに満たされました。

ひにはゆる わかくさはらの まばゆさに めをほそめみる きょうのうれしさ
日に映ゆる 若草原の 眩さに 目を細め見る
今日の嬉しさ

(草原が斜めの光に照らされて、陰のできない明るい若草が眩しく映えて、目を細めて見ていると、嬉しさが満ちてきます)

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「玉の光」1首

2015年05月15日 | 日記
 先日、縁ある神社のお祝いの席に招かれ、二次会で挨拶の順番がまわってきました。社交辞令ほど苦手なものはないため、最近は、社交の席では、紋切り型の歌を詠んで、お祝いに代えることにしています。
 これからも、救いの場として、この斎庭に大神様のお光が注ぎ続けますように、という心をこめて詠みました。

おおかみの たまのひかりと このにわに いやとことわに あまふらしませ
大神の 玉の光と この斎庭に 弥とことはに 天降らしませ
(大神様の、玉のような麗しい光が、この神社に、いつまでもいつまでも、降り注ぎますように)

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「雲と照り合ふ」1首

2015年05月05日 | 日記
 数日前、薄曇りの昼下がりに自然公園を歩いていると、縁石に沿って立ち並ぶ木が三本、順に赤い花、白い花、黄色い花を咲かせていました。薄曇りの空の下で、花びらは光と水分に満ちた日差しに鮮やかに映えて、雲と照らし合うかのようでした。

ならびさく あかしろきいろ このはなの うすびにはえて くもとてりおう
並び咲く 赤白黄色
木の花の 薄日に映えて
雲と照り合ふ

(立ち並んだ木、赤い花、白い花、黄色い花を咲かせて、薄曇りの空の下、光と水分に満ちた日差しに鮮やかに映えて、雲と照らし合うかのようでした)

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「夏の日のこと」1首

2015年05月02日 | 日記
 先月末から、関東では夏日、ところによっては真夏日になって、朝夕の肌寒さで冷えた体が日中の陽射しに暖められます。きのうの昼、アスファルトの坂道を歩きながら、空の青さ、雲の白さに、夏のあれこれを思い出しかけていると、後ろから走ってくる足音が聞こえ、横を10歳くらいの少年が走りすぎていきました。一途な走り方を見送っていると、あのくらいの年ごろの自分の姿が、「夏の日の思い出」という言葉をともなって、思い出されました。

なつのひの ことおもいいず かたわらを おのこのはしり すぎゆきしあと
夏の日の こと思ひ出づ
傍らを 男の子の走り 過ぎ行きしあと

(夏を思わせる日差しの中を歩いていると、少年が傍を走って通り過ぎていき、後姿を見送っていると、さまざまな夏の思い出が浮かんでくるようでした)

 前回の作品といい、今回の作品といい、抒情フォークのような、合唱曲のようなナイーブなもので、削除しようかとも思ったのですが、息抜きのようにお読みいただければとも思い、このままにしておきます。

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