日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「森道の」「渦なす森の」2首

2017年07月23日 | 日記
 夏の夕映えが、高い木々の梢の網目模様に、にじんで揺れています。湿った下道には、木漏れ日もほとんど差し込まず、水底のような透き通った闇が充ちています。

くろまだら にじむこぬれを すくかげの わずかにとどく もりみちのそこ
黒まだら
にじむ木ぬれを
透く影の
わづかに届く
森道の底

(高い木々の梢の網目模様に、空の光がにじみ、湿った下道には、木漏れ日も届かず、水のような透き通った闇が充ちています)

 息の長い風に森が揺らぎ、洞のような空間が、ゆるやかに渦巻きます。歩いていくと、渦に巻き込まれて、一足ごとに底に沈んでいくようです。

ふくかぜに たかぎのえだの ゆらめきて うずなすもりの そこにおぼるる
吹く風に
高木の枝の
揺らめきて
渦なす森の
底に溺るゝ

(風に揺らぐ森に包まれた空間が、ゆるやかに渦巻く下を歩いていくと、渦に巻き込まれ、溺れてしまいそうです)

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「夢に蝶の」推敲

2017年07月20日 | 日記
 昨日の歌を、推敲します。語順を入れ替えただけです。

 明かりのついた机の上に蝶が飛んできて、電球の熱で羽が焼けて、さなぎのように裸になったのに、そのまま落ちないで、飛行船のように、浮いていました。

ともしびに  はねやけおちて ゆめにちょうの さなぎのごとく うきてとどまる

ともしびに はね焼けおちて
夢に蝶の さなぎのごとく
浮きてとゞまる

(夢の中で、蝶がともしびに近づいてきて、羽が焼け落ちて、そのまま、さなぎのように、浮かんでいる、不思議な情景を見ました)

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「夢に蝶の」1首

2017年07月19日 | 日記
 いつまでも覚えていて、ときおり心に浮かぶ、そのような夢があります。その1つ、明かりのついた机の上に蝶が飛んできて、電球の熱で羽が焼けて、さなぎのように裸になったのに、そのまま落ちないで、飛行船のように、浮いていました。

ゆめにちょうの はねやけおちて ともしびに うきてとどまる さなぎのごとく
夢に蝶の はね焼けおちて
ともしびに 浮きてとゞまる
さなぎのごとく

(夢の中で、蝶がともしびに近づいてきて、羽が焼け落ちて、そのまま、さなぎのように、浮かんでいる、不思議な情景を見ました)

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