夏の夕映えが、高い木々の梢の網目模様に、にじんで揺れています。湿った下道には、木漏れ日もほとんど差し込まず、水底のような透き通った闇が充ちています。
くろまだら にじむこぬれを すくかげの わずかにとどく もりみちのそこ
黒まだら
にじむ木ぬれを
透く影の
わづかに届く
森道の底
(高い木々の梢の網目模様に、空の光がにじみ、湿った下道には、木漏れ日も届かず、水のような透き通った闇が充ちています)
息の長い風に森が揺らぎ、洞のような空間が、ゆるやかに渦巻きます。歩いていくと、渦に巻き込まれて、一足ごとに底に沈んでいくようです。
ふくかぜに たかぎのえだの ゆらめきて うずなすもりの そこにおぼるる
吹く風に
高木の枝の
揺らめきて
渦なす森の
底に溺るゝ
(風に揺らぐ森に包まれた空間が、ゆるやかに渦巻く下を歩いていくと、渦に巻き込まれ、溺れてしまいそうです)
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日守麟伍ライブラリ
くりぷとむねじあ歌物語
くりぷとむねじあ和歌集
古語短歌への誘い
くろまだら にじむこぬれを すくかげの わずかにとどく もりみちのそこ
黒まだら
にじむ木ぬれを
透く影の
わづかに届く
森道の底
(高い木々の梢の網目模様に、空の光がにじみ、湿った下道には、木漏れ日も届かず、水のような透き通った闇が充ちています)
息の長い風に森が揺らぎ、洞のような空間が、ゆるやかに渦巻きます。歩いていくと、渦に巻き込まれて、一足ごとに底に沈んでいくようです。
ふくかぜに たかぎのえだの ゆらめきて うずなすもりの そこにおぼるる
吹く風に
高木の枝の
揺らめきて
渦なす森の
底に溺るゝ
(風に揺らぐ森に包まれた空間が、ゆるやかに渦巻く下を歩いていくと、渦に巻き込まれ、溺れてしまいそうです)
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