日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

節分過ぎの新作2首

2013年02月10日 | 日記
 お世話になった方のお祝いの行事に参加して、懐かしい人々に挨拶をしたり、見知らぬ多くの人を避けて、時間を過ごしているうち、この集まりに来るようになったこれまでのこと、それ以前のこと、さまざまに思い出されて、後悔と悲哀が満ちてきました。人生の後半になると、このような思いにも、若い頃に感じたほどの耐え難い苦しさはなく、通ってきたあれこれの苦しさに、懐かしさをすら、覚えました。

あまたひと つどううたげに まじらいて すぎこしかたの うたたおもわる
あまた人 集ふ宴に 交らひて 過ぎ来しかたの うたゝ思はる
(お祝いの行事で多くの人に交ざっていると、これまでのことがさまざまに思い出されて、悲しさとも懐かしさともつかない物思いに、呆然とした時を過ごしました)

 自分が大人になってからも、あれこれの出来事に押しひしがれそうになったことがあり、よく耐えてきたと思いつつ、まだ幼い我が子や、他の子どもたちも、これから世の中に出て、いろいろな出来事を経験し、私のように耐え難い経験をすることもあるだろうと思うと、子どもたちの人生が少しでも安らかであってほしいと、心から願われました。

ひとのよに やがてやこらの たちまじる さきやすかれと ひたいのらるる
人の世に やがてや子らの 立ち交じる 先安かれと ひた祈らるゝ
(子どもたちも、これから世の中に出て、いろいろな出来事を経験するのだろうと思うと、その人生が安らかであってほしいと、心から願われました)

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