日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

玉葉集からの類歌

2014年01月13日 | 日記
 先日詠んだ歌は、玉葉集にある、つぎのような趣の似た歌を連想させます。本歌というには、姿形に似たところが少ないのですが、前世、輪廻という信仰、前世の報いを今まさに思い知る、という心は、とても似ていて、他人とは思えません。私はあの時代のこうした人々の信仰を、文化遺産としてではなく、同じリアリティーをもって、共感しています。この信仰がアナクロニズムなのであれば、私はアナクロニズムの小さな権化であることを、恥としません。

先の世に 人の心を 尽くしける 身の報ひこそ 思ひ知らるれ

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「さぞ口惜しき」1首

2014年01月09日 | 日記
 暮れ方から雨模様になった冬の夜、雪にならない雨の降る道を、傘に落ちる細かな雨音と、断続的に落ちてくる大きな雨粒のたたく音を聞きながら歩いていると、縁のある人々との行き違いがあれこれ思い出され、いつかどここかで、私があの人たちを辛い目に遭わせたのだろうか、こんな関係になるからには、彼らはどんなにか悔しかったことだろうかなど、無念さを思い知らされるようでした。

ふゆのよの つめたきあめの ふるみちに さぞくちおしき おもいとわはしる
冬の夜の 冷たき雨の 降る道に さぞ口惜しき 思ひとは知る
(冬の夜、傘に落ちる細かな雨音と、ときおり落ちてくる大きな雨粒の音を聞きながら歩いていると、私のせいで無念な思いをしたかもしれない人びとの悔しさを、痛切に思い知るかのようでした)

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