夢の世界は、内面の暖かい呼気のために、いつも湿り気を帯びています。とくに夢からそのまま覚めてくるときは、深い羊水から浮かび上がる気持ちがします。
昨夜は、着衣のまま川に浸かった南アジア人と話している夢から、風もなく静まった寝室に目覚めてきました。自分のかすかな息遣いのほかには、遠近の無機質な音だけがして、生き物はまだ息を潜めています。息苦しくはないのに、水のような夢から浮かんできたからでしょうか、息を吹き返したような気がしました。
みずくほど ふかきゆめより うかびきて おとなきねやの やみにいきずく
水漬くほど 深き夢より 浮かび来て
音なき閨の 闇に息づく
(水に浸かるほどの深い夢から、浮かび上がってくると、寝室はまだ夜明けの気配もなく静まりかえり、その闇のなかで私は息を潜めています)
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昨夜は、着衣のまま川に浸かった南アジア人と話している夢から、風もなく静まった寝室に目覚めてきました。自分のかすかな息遣いのほかには、遠近の無機質な音だけがして、生き物はまだ息を潜めています。息苦しくはないのに、水のような夢から浮かんできたからでしょうか、息を吹き返したような気がしました。
みずくほど ふかきゆめより うかびきて おとなきねやの やみにいきずく
水漬くほど 深き夢より 浮かび来て
音なき閨の 闇に息づく
(水に浸かるほどの深い夢から、浮かび上がってくると、寝室はまだ夜明けの気配もなく静まりかえり、その闇のなかで私は息を潜めています)
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