昨夜も雨がふり、呟くような雷が、ときに大きく鳴って、いつまでも響いていました。大げさに言えば、まるで雷雨が再訪してきて、「先日の歌は気に入らないから、作り直すように」と言われたのかもしれません。ともかくも、読み直してみると、先に用いた「呟く」という言葉は、現代語の響きが強いように思いました。
さらに推敲して、「くぐもる」「くくむ」「こもる」といった言葉に代えてみると、悪くありません。このうち「こもる」が一番わかりやすく、音の並びも素直なので、これを決定版としておきましょう。
夏の夜の 降りしく雨の をちこちに こもりて響く いかづちの音(麟伍)
(夏の夜、窓を開けて、長く続く雨に聞き入っていると、遠くのほうで、物思わしげに呟くような穏やかな雷が、ときに強くいつまでも鳴り止まず、雨音の中を静かに響いています)
***『歌物語 花の風』2011年2月28日全文掲載(gooブログ版)***
ついでに、昨日の散歩で見た、地平線から立ち上がる黒雲の情景を、歌ったものを載せておきます。とくに心が動いたというよりも、技能の稽古に風景を描いたものです。
山並みと 見紛ふ雲や 天離る ひな土に伏す をちの黒雲(麟伍)
(遠く地平線に、白い曇り空の下に、山脈と見間違えるほど、黒雲が低く伏して、地を覆っているのが見える)
***『歌物語 花の風』2011年2月28日全文掲載(gooブログ版)***
さらに推敲して、「くぐもる」「くくむ」「こもる」といった言葉に代えてみると、悪くありません。このうち「こもる」が一番わかりやすく、音の並びも素直なので、これを決定版としておきましょう。
夏の夜の 降りしく雨の をちこちに こもりて響く いかづちの音(麟伍)
(夏の夜、窓を開けて、長く続く雨に聞き入っていると、遠くのほうで、物思わしげに呟くような穏やかな雷が、ときに強くいつまでも鳴り止まず、雨音の中を静かに響いています)
***『歌物語 花の風』2011年2月28日全文掲載(gooブログ版)***
ついでに、昨日の散歩で見た、地平線から立ち上がる黒雲の情景を、歌ったものを載せておきます。とくに心が動いたというよりも、技能の稽古に風景を描いたものです。
山並みと 見紛ふ雲や 天離る ひな土に伏す をちの黒雲(麟伍)
(遠く地平線に、白い曇り空の下に、山脈と見間違えるほど、黒雲が低く伏して、地を覆っているのが見える)
***『歌物語 花の風』2011年2月28日全文掲載(gooブログ版)***