日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「常若にませ」1首

2020年08月08日 | 日記
 この世では会えないかもしれないと思っていた人から、半年ぶりに連絡がありました。家族の大きな出来事、転居、転勤が重なり、忙しかったようです。ちょうど都合の合う日時、場所があり、2年ぶりくらいに会食しました。
 身辺の変化に加え、信仰上の大きな変化もあったとのこと、短期間に新たな経験をしたことから、初々しさと成熟が不思議な混ざり方をして、この世の年齢を超えた、永遠の若さに至ることが予感されました。

うつしみに またおうべくも おもわざる いもがおもざし とこわかにませ
現し身に また会うべくも 思はざる 妹が面差し 
常若にませ

(この世ではもう会えないかもしれないと思っていた人に、嬉しいことにまた会うことができました。しばらくぶりに見た貴女の姿と心は、新鮮と成熟の混ざった、永遠の若さに近づいているようです。)

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「飾りし花の」1首

2020年08月01日 | 日記
 長い梅雨がようやくあけました。
 東屋に咲いていた赤い花が散って、花びらが石畳を飾っていましたが、数日前、しばらくぶりに通りかかると、すっかり踏みつぶされて、跡形もありません。降りこめる雨の中、蔓の先端の葉々がゆれていました。

あずまやを かざりしはなの ちりはてて あめにゆらるる はばのしたたり
東屋を 飾りし花の 散りはてて 
雨にゆらるる 葉々のしたたり

(東屋を飾っていた赤い花が散って、今は蔓の葉々だけが残り、降りこめる雨にゆられ、雫を垂らしています。)

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