日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「恋しくば」推敲

2016年03月02日 | 日記
 きのうの「恋しくば」の歌、最後の七文字を、掛詞になるよう、推敲してみましょう。「貫きてみよ」を「いとほしてみよ」とすると、「射通し」と「愛ほし」が二重化し、かつ音の響きの激しさが、やや和らぐように思います。
 貴方はどちらがお好きでしょうか?

こいしくば こころのはだに ふれてみよ わがたましいを いとおしてみよ
恋しくば 心の端だに 触れてみよ
我が魂を 射通してみよ

(私を恋しく思うのならば、そんな気弱な言葉ではなく、もっと激しい言葉で、私の心の端にでも触れてみなさい。激しい言葉で私の肌に触れ、矢のような言葉で私の魂を貫き通してみなさい)

*******
日守麟伍ライブラリ
くりぷとむねじあ歌物語
くりぷとむねじあ和歌集
古語短歌への誘い



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「恋しくば」1首

2016年03月01日 | 日記
 和歌を詠み始めて、良さそうな作品が少し集まったころ、関心のありそうな何人かに、見てもらったことがあります。するとそのうちの一人から、恋歌について、その程度では相手の心には、まして魂には届きません、という意味の、かなり手厳しい感想がありました。その方に歌の嗜みがあれば、返歌を詠んでくれたのでしょうが、残念ながら、相聞にはなりませんでした。
 昨日から今日にかけて、そのことを懐かしく思い出しながら、その人になり代わって、そのときの思いを、やや激しい言葉遣いで詠んでみました。
 技巧的には、「はだに」は「端だに」と「肌に」の掛詞になっており、恋歌としての艶やかさが増し加わっています。

こいしくば こころのはだに ふれてみよ わがたましいを つらぬきてみよ
恋しくば 心の端だに 触れてみよ
我が魂を 貫きてみよ

(私を恋しく思うのならば、そんな気弱な言葉ではなく、もっと激しい言葉で、私の心の端にでも触れてみなさい。私の肌に触れ、私の魂を貫き通してみなさい)

*******
日守麟伍ライブラリ
くりぷとむねじあ歌物語
くりぷとむねじあ和歌集
古語短歌への誘い


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする