日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「朝霧」「紅葉の丘」再録

2013年11月30日 | 日記
 10月まで暑く、11月になって寒くなり、日本の四季は、二季になったようだ、という声が聞かれます。春と秋が短くなったということでしょう。
 生活のための仕事が忙しく、しばらく歌をつくっておりません。この季節の歌を再録しておきます。『くりぷとむねじあ和歌集・歌物語』六の巻「終り」より、2首です。

 数日前の朝、北関東のある地域は、濃い霧に覆われていました。

あさぎりに ものみなうかび にじみつつ あけそむるひに あわくとけゆく
朝霧に もの皆浮かび 滲みつゝ 明け初むる陽に 淡く融けゆく
(朝霧の中に、建物も木立も浮かんで見え、川も空も滲んで見えているのが、朝日が強くなってくると、淡雪のように融けて、しだいに輪郭がはっきりしてきます)

 紅葉が急に進み、色とりどりになりました。

いりのひに もみじのおかの てりはえて すみきるそらわ くるるともなし
入りの日に 紅葉の丘の 照り映えて 澄みきる空は 暮るゝともなし
>(西に傾いた太陽が、小高い丘の紅葉を照らし、燃えるような赤色が浮き上がった彼方には、日暮れ間近の青空が澄みきっていきます)

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ホームページ「日守麟伍ライブラリ」http://book.geocities.jp/himringo/index.htm



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