日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

入りの日の歌、2首

2011年08月16日 | 日記
 昨日の1句め、「傾ぐ」は語感も響きもあまりよくありませんので、「入り(の)日」としてみます。

いりのひの こがくれゆくや こずえばの ふきわたるかぜに うきゆらぐごと
入りの日の 木隠れゆくや 梢葉の 吹き渡る風に 浮き揺らぐ如(麟伍)


 また別の日、黄金を溶かしたような入り日が、照葉樹の枝葉に反射して、風にゆらめき、細かく揺れていました。

入りの日に たぎる黄金と 照り映えて しだる枝葉の ゆらぎかゝよふ(麟伍)


 最近、俊成の歌を読み直しています。俊成は晩年に至り、和歌を詠むことは仏道修行である、という確信を強めました。「釈教歌」が一巻として独立するのは、『千載和歌集』(俊成撰)からということも示唆的です。歌道と仏道の結び付きを考えるのに、俊成の和歌と歌論は、恰好の手がかりになるはずです。
 次回から、歌道と仏道について、考えてみましょう。


***『歌物語 花の風』2011年2月28日全文掲載(gooブログ版)***








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