日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「春の雨」再録

2024年03月29日 | 日記
 昨夜から今日の午前中にかけて、関東は春の嵐で、やや強い雨風でした、午後から日もさして、森の中は初夏のようでした。そのような雨上がりの森を詠んだ歌を、再録します(『古語短歌』57頁。『くりぷとむねじあ和歌集』36、106頁)。初期の自賛歌の1つです。

春の雨は 森の雫(しずく)と 下垂(したた)りて 静まる中に 鳥鳴き渡る
(春の雨が樹冠のまばらな森に降ってきて、ところどころで雫になって滴り、静かな音をたてる中に、鳥が一声長く鳴いて、飛んでいきました)

 なお、この和歌のブログは、毎日の訪問者は十数人から数十人で、一桁のときもあり、三桁になることは、ほとんどありません。ところが、昨日のアクセス解析をみると、訪問者が200人近くになっていて、驚きました。いったい何が起こったのでしょうか?

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「風のため息」再録

2024年03月17日 | 日記
 関東では桜の開花宣言が間もなくです。近所の梅はもう散りはじめ、寓居の狭い庭のハクモクレンは、もうすぐ開きそうな花、開ききった花が、混ざっています。一、二輪を、仏前にお供えしようと思います。
 いつもの散歩の折に見る森の樹冠も、芽吹きはじめて、赤らんできています。このような時期に詠んだ歌を再録します(『古語短歌』74頁、『くりぷとむねじあ和歌集』45頁、94頁)。

 芽ぐみはじめた木々で、一面に赤みを帯びた森が、まだ色の薄い青空を背景にして、壁のように立っています。しばらく見ていると、木々が緩やかに動いて森が膨らみ、また静まりました。風がため息のように吹きすぎたのでした。

芽ぐむ木に 赤らむ森の
うす青き 空にふくらむ
風のため息

(芽ぐみはじめた木々で森が一面に赤らみ、薄い青空を背景に静かに立っていたところに、風が木々を膨らませて、ため息のように吹きすぎました)


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「幼木の」1首

2024年03月03日 | 日記
 昨年の今ごろ、小さな桃の木が、芽吹き、花咲く様子を詠みました(2023年3月10日、21日記事)。同じところで、今年も同じ様子を見ました。木々や草花が年々歳々そうであるように、少しだけ姿を変えています。数本の木のあちこちに、まだ蕾のもの、それぞれに開いたもの、もう花弁が散ったものが、混ざっています。

胸元に 届かぬほどの 幼木の 去年(こぞ)に変らぬ 桃色の花
(胸元に届くか届かないほど小さな桃の木に、去年と同じように、まだ蕾のもの、花開いたもの、花びらが散ったものが、枝を飾っています)

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