日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「影とたはむる」1首

2015年10月05日 | 日記
 数日前、大きな月が話題になって、いつもは空を眺めることの少ない人たちも、肉眼であるいは映像で、しばし風雅な月見の時を過ごされたようです。
 その折、親しい外国人から、月を歌った詩を引用した、時候のご挨拶をいただきました。大きく明るい月を一人で見ていて、自分の手足の動きや視点の動きにつれて、影があちこちにゆらめく、その楽しみを月と共有する、というような意味です。
 私もよく、さまざまな光に、自分の影を作らせて、同じようなひとときの影芝居を、ひとり楽しむことがあります。和歌にしてみましょう。

ひとりびと つきのあかりに てをのべて ゆらぎかさなる かげとたわむる
ひとり人
月のあかりに 手を伸べて
ゆらぎ重なる 影とたはむる

(一人見る明るい月の光に、自分の動きの影の残像をゆらめかせて、遠くにかかる月とともに、ひとときの影芝居を楽しんでいます)

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