日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「亡き人を」推敲

2019年10月16日 | 日記
 父の通夜の日(8月17日)に詠んだ歌を推敲します。

 エアコンで冷えて、締め切った座敷に横たわった父の横に座って、ガラス越しのやや遠い蝉時雨が、強くなったり、弱くなったり、響きやんだりするのを、一緒に聴きました。

亡き人を 遠く訪(おとな)ふ 蝉しぐれの 波の満ち干を ともに聴く夏
(夏を惜しむような蝉時雨が、締め切った座敷に遠くから聴こえ、強まったり弱まったり、ときおり止んだりするのを、亡くなった父の横に座って、一緒に聴きました)

*******
日守麟伍『古語短歌――日本の頂点文化』
Amazon Kindl版、NextPublishing POD出版サービス版、2019年
日守麟伍『くりぷとむねじあ和歌集――言霊の森』
Amazon Kindl版、NextPublishing POD出版サービス版、2019年


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「花を手向けに」再録

2019年10月03日 | 日記
 今年の3月22日に詠んで、「とくに佳くも悪くもない、並みの出来です」と書いた歌ですが、同じ道を歩くたびに思い出し、読み返してみると、なかなかいい調べの歌だなと思います。

この道に 倒れし人の 幾たりや 花を手(た)向けに 夢(いめ)愛(うつく)しむ
(昔から多くの人が行き交ったこの道で、幾人かは命を落としたことでしょう。その人たちのために、咲き初めた花を手向けとして、見果てぬ夢を偲びます)

*******
日守麟伍『古語短歌――日本の頂点文化』
Amazon Kindl版、NextPublishing POD出版サービス版、2019年
日守麟伍『くりぷとむねじあ和歌集――言霊の森』
Amazon Kindl版、NextPublishing POD出版サービス版、2019年


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする