日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「花陰の奥処に浮かぶ」再推敲

2015年03月31日 | 日記
 「たそがれの色」を「うつろの淡き」としましたが、落ち着きません。枯草色と薄い夕日のほかに何もない、空虚な感じを出すために、さらに推敲しました。まだ落ち着きませんので、時間をかけて推敲を繰り返したいと思います。

したばえに さしいるひかり はなかげの おくかにうかぶ こがねのあわき
下生えに さし入る光
花陰の 奥処に浮かぶ
黄金の淡き

(夕日が真横からさし入って、木々や花々に隠れた下生えを照らし、何もない潜まった空虚な空間に、黄金の光が、もうすぐ見えなくなるほど淡く、浮かび上がっています)

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「春日の揺らぎ」再録

2015年03月30日 | 日記
 やや時期遅れながら、春先に急に暖かくなったころの歌を、『くりぷとむねじあ歌物語』『くりぷとむねじあ和歌集』の「六の巻、終り」より、再録します。自分でも気に入っている1首です。
 水が温み、風が和らぎ、華やぎの近付く予感が漂うと、自分が季節に相応しくないような、かすかな物悲しさを覚えます。その物悲しさも、仏の柔らかい慈光に、優しく接受されている気がします。

おおかわの ぬるむみなもに かぜなぎて ほとけのごとき はるひのゆらぎ
大川の 温む水面に 風凪ぎて 仏の如き 春日の揺らぎ
(よく晴れて風もなく、暖かくなった春の昼下がり、大きな川の水面が、仏像のような黄金色にゆらいでいます)

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「花陰の奥処に浮かぶ」推敲 

2015年03月28日 | 日記
 前回の歌は、最後の「たそがれの色」が、落ち着きません。空洞のような場所に、白々とした夕日だけが力なく浮いて見えるという、空虚な感じが本意です。
 視線を絞って緊張感が高まりながら、最後の場所の空虚さが、光の淡さでさらに虚ろになっている、焦点のない脱力感を出したいと思います。

したばえに さしいるひかり はなかげの おくかにうかぶ うつろのあわき
下生えに さし入る光
花陰の 奥処に浮かぶ
うつろの淡き

(夕日が真横からさし入って、木々や花々に隠れた下生えを照らし、何もない潜まった空虚な空間に、白々とした光が力なく浮かび上がっています)

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