世間の騒ぎから離れて、隠遁者のようにひっそりと過ごしている日々にも、理由が何とはわからない思いに、心がほのかにときめいたり、胸がかすかにふさいだり、胸がわずかに騒ぐことがあります。
昔の、前世の、あるいはまだ来ぬ時代の、自分の思いか、人の思いかもわからない、夢の名残のような、不確かなことの予感のような、不思議な気がします。
しのびすむ ひびをおとのう われひとの ゆめのなごりや しるすべもなき
しのび住む 日々を訪なふ 我れ人の 夢の名残や
知るすべもなき
(ひそかに世を隠れ住む日々、理由が何とはわからない思いが訪れて、夢の名残のような、不確な気がします)
後悔の気持ちで胸苦しさを覚えるのは、誰かを苦しめ悲しませたゆえでしょうか。その人は悲しくて悔しくて、寝られない夜を過ごしたことでしょうか。どう償いようもなく、申し訳ない思いで胸がいっぱいです。
われからに ひとやかなしみ ことひとや くやしきときを すぐしかねたる
我れからに 人や悲しみ
異人や 悔しきときを 過ぐしかねたる
(私のしたことで、誰かが苦しみ悲しんだことがあったら、その人は悲しくて悔しくて寝られない夜を、何日過ごしたことでしょうか)
*******
『日守麟伍ライブラリ』
『くりぷとむねじあ歌物語』
『くりぷとむねじあ和歌集』
『古語短歌への誘い』
昔の、前世の、あるいはまだ来ぬ時代の、自分の思いか、人の思いかもわからない、夢の名残のような、不確かなことの予感のような、不思議な気がします。
しのびすむ ひびをおとのう われひとの ゆめのなごりや しるすべもなき
しのび住む 日々を訪なふ 我れ人の 夢の名残や
知るすべもなき
(ひそかに世を隠れ住む日々、理由が何とはわからない思いが訪れて、夢の名残のような、不確な気がします)
後悔の気持ちで胸苦しさを覚えるのは、誰かを苦しめ悲しませたゆえでしょうか。その人は悲しくて悔しくて、寝られない夜を過ごしたことでしょうか。どう償いようもなく、申し訳ない思いで胸がいっぱいです。
われからに ひとやかなしみ ことひとや くやしきときを すぐしかねたる
我れからに 人や悲しみ
異人や 悔しきときを 過ぐしかねたる
(私のしたことで、誰かが苦しみ悲しんだことがあったら、その人は悲しくて悔しくて寝られない夜を、何日過ごしたことでしょうか)
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『日守麟伍ライブラリ』
『くりぷとむねじあ歌物語』
『くりぷとむねじあ和歌集』
『古語短歌への誘い』