ファン歴は軽く四半世紀を超える、忌野清志郎“完全復活祭”@日本武道館に、知人から招待された。
すずめ百までRCを忘れずというか、RCの魂百までというか、すぐに久しぶりに家に帰ったみたいにどの曲にも体が反応し、歌が唇をついて出てくる。
往年のKing of Rock'n Roll Band『RCサクセション』のオリジナルメンバーがドラムとギターでがっちり脇を固め、これまた往年のKing of Hard Rock Band『VowWow』からキーボードが、ホーンセクションには言わずもがなのBlueday Horns。何もかもが懐かしい。
さまざまな疑問を、憤りを、悲しみを、
そして喜びを、優しさを、溢れるばかりの愛を、
誰にも真似のできないあの声で力の限り歌いシャウトするキヨシロー。
これだけのバンドマンたちが、
日本武道館の客席を埋め尽くすだけのファンたちが、
このライブを企画し実現してくれたスタッフたちが、
そして何よりも一番近くにいるファミリーが、
キヨシローの闘病を案じ、応援し、復活を信じ、喜び、祝った。
みんなの胸にある気持はひとつ。
終盤、キーボードが静かに奏でるハーモニーにのせて、キヨシローが語り始める。
「いまこの武道館は平和です。
いまここにいるオレたちはみんな平和です。
それなのに、このサツバツとした世界からは、戦争や紛争や貧困がなくならない。
そこでみんなに訊きたいことがある――」
気持はひとつだから、もうみんな、泣きそうになってる。
そこでひと息おいてキヨシローがいつもの言葉を叫ぶ。
そう、このキヨシローのいつものメッセージこそ、30年も経ったいまでも、彼が日本一のKing of Liveとして君臨し続けている理由だ。
「愛し合ってるかい?」
これほど端的な、平和へのメッセージがほかにあるだろうか。
そして、これほどの伝道師を、天が見放すわけなどないのだ。
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