心境の変化？

今期２回目のマエストロ登場。

去年は、いつもどんなときも伏し目がちで、
合唱団とは視線も合わせたくないみたいにしていて、
彼のつくりたいオペラはどんななのか、さっぱり伝わってこなかった。

うつむき加減に口元でごにょごにょごにょ、て指示されていたから、
正直、何言ってんだかほとんど分からなかった。

こっちの端っこの男の人たちに何か言いたいときも、
あっちの端っこのソプラノさんたちに何か言いたいときも、
譜面台の前の席から動くことなんて全然なかった。

なのに昨夜は。

やってきてまず、指揮台を脇へ押しのけて譜面台の前に立った。
自分だけ立ったまま、稽古開始。
意外と謙虚な人だったのかな、と思っていたら。

ことあるごとに、女声のいちばん端っこに座ってるヒイラギのとこまでやってきて、
男の人たちの目の前に立ってひとしきり練習したり。

かと思えば、男の人たちの反対側の端っこまで歩いていって、
ソプラノさんたちの目の前に立ってお話ししてみたり。

オーケストラスコアとボーカルスコアで指示が違う箇所が発覚したときなんて、
皆さんの楽譜にはここのコンマが無いと思いますが、って言いながら、
「ねー？」と自分の楽譜を見せに来たり。

身体ごと、ちゃんと合唱団に向き合って、話しかけてくれてる。
だから、みんなちゃんと言われたことに反応できてる。
大変身。

女声はここまでで解散、って言われてさくさく帰り支度してたら、
「見学してくれてもいいけど、皆さんいそいそと帰っちゃうんですね・・・」
っていじけてみせたり。

どうしたんだろ。
この人、いい人になったかも知んない。