「ふるさと納税」

趣旨の議論の前に、ネーミングが気に入らない。

納める税金の使途を納税者自身が選べるようにする、という意味のネーミングになっていない。
これでは国民に真意は伝わるまい。

このネーミングが真意だと言うなら、地方自治体の意味がわからない。
そこに住む者たちの「自治」の単位ではないのか。

そもそも「ふるさと」とは何ぞや。
生まれた場所で育ちそのまま骨をうずめる人もあれば、生まれた場所も育った場所もいま生活している場所も異なる人もある。
ジプシー・ヒイラギにとって、「ふるさと」とは心の中にしかない抽象的な概念である。
それを「カネさえ払えば物事（ふるさと）は良くなる」的発想と結びつけてしまおうって魂胆が、なんだかサブリミナルで空恐ろしい。
問題は、ソコじゃないんじゃないかしらん。

心地よい響きの言葉に踊らされて、よく考えたらただ巻き上げられただけ、ということがままあるのが、今の世の中だったりするわけだし。
どうも、気に入らない。