自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

地域ミュージアムで考える(25)

2016-08-28 | 随想

ウンチ・ペーパーづくりの二日目。参加者が揃ったところで,さっそく開始。同じ工程をみんながやっていると時間がかかって能率が上がらないので,予めわたしが全工程を実演を交えて説明しておくことにしました。そうして,作業中は必要に応じてアドバイス役に回りました。なお,この企画実施のためにおとなの補助者一人(ミュージアムと歴史資料館の共同事業として企画),子どものボランティアスタッフに一人加わってもらいました。

それでは,順を追って見ていきましょう。

まず,煮終わった状態で鍋に入っている繊維を手でギュッと握ってもらって,柔らかさを確認。皆さんから「柔らかくなったねえ」の声が上がりました。


それに続く工程解説は以下のとおりです。

繊維を全部水洗いします ➡ すこしずつミキサーに入れて細かな繊維にします ➡ 繊維を水洗いします  ➡  紙漉きの要領を説明します(道具の話,粘剤の意味と漉き方)  ➡ 水切りをします

誰もがどの工程も経験することを柱にして,どこからやってもよいことにしました。なお,予めすぐ紙漉きに使える繊維を一定量準備しておきました。結局,このやり方がよかって,どこかの工程で滞るという事態は生じませんでした。それでありながら,参加者の皆さんが常にからだを動かせる状態にありました。

こんな様子で,作業が進んでいきます。


繊維を洗って水に溶いて,粘剤を入れて,そうしてかき混ぜます。 


漉き枠に紙料を流し込みます。溜め漉き法です。 


漉き舟から上げて,縁を整えます。 

 
こんなふうにしてできたものを,立てかけて水切りをして乾かします。葉書サイズから半紙サイズまでのものができました。


これですべて順調にいきました。

おしまいはちょこっと感想を語っていただきました。そこには,子どもは子どもなりに,おとなはおとななりに,ウンチ・ペーパーづくりを体感した味わい深いことばがありました。この分だと,再びいつか試みてよさそうです。すてきな企画になったことをうれしく思います。