自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ルリタテハ,卵から羽化まで(5)

2016-08-30 | ルリタテハ

8月26日(金)。朝。卵はほとんどが孵化し終えて,幼虫はすこしが葉の表面に,そして大抵のものが葉の裏にいます。

表面にいる幼虫は葉を食べて穴を開け,裏側に回ります。ですから,穴が開くまでは表側にいるほかありません。食べると,糞をします。糞が新しいと色も新鮮!


裏にいると身の安全がより守れるようになります。


食べるときは裏側から頭を覗かせるようにしてムシャムシャとやります。わたしの手が葉に触れて急に揺れるようなことがあると,幼虫は食べるのをピタリとやめて葉裏に身を潜めます。警戒心があることがよくわかります。


8月27日(土)。午前7時。たぶん,多くの孵化例のうち締めくくりの孵化になると思われる例を撮影しました。

7時15分。頂部に大きな穴が開き,顔がこちらを向いています。



7時23分。顔が左を向いています。卵の中ですこしずつ向きを変えながら穴を大きくしていくのです。


7時33分。おやおや右側,つまり葉の縁に向かって出始めました。


7時34分。からだをぐーっと伸ばして一気に出ようとします。しかし,下には葉の着地面がありません。


7時35分。一番近くの着地面に降りようとします。


7時37分。着地し終えると,葉の縁を歩いて移動。


結局,幼虫はそのまま葉の裏に移動していきました。葉の表面に穴を開け,そこを通って裏側に潜り込むという原則は必ずしも当てはまらないことがわかります。要するに,臨機応変に状況に対応しているということでしょう。