自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ブットレアの花と昆虫たち

2015-07-24 | 昆虫と花

すでに取り上げた話題なのですが,再びブットレアの花と昆虫たちについて書こうと思います。もっとも,ごく最近の目撃例に限定しての話です。

「庭にチョウを呼びたいのならブットレアを植えたい」という呼びかけは,いろんな本で紹介されています。わたしもそれを読んで,矮性のブットレアを一本植えました。一昨年暮れに,ポット植えのか細い苗を買ったのでしたが,特価で100円にしてもらったことが信じられない程丈夫に育ってくれました。加えて,昆虫を招く効果の程はそのとおりなので,たいそう喜んでいます。挿し木で殖やすのもじつに簡単。それで,今では2本になっています。

開花期間が長く次々花が咲くので,観察を息長く行えるよさがあります。人にもお薦めしたい庭木です。

雨上がりの,いく分暗い夕刻。虫の目レンズでとらえたキタテハです。カメラを三脚にセットし,シャッター速度を相当に落として撮りました。キタテハは落ち着き払った様子で,わたしの慎重な動きに反応を示すことなく吸蜜に夢中でした。無造作に立っている竹の支柱はウマノスズクサ用のものです。

 

 
別の日,クローズアップで。口吻がほとんど筒状の花の奥に入り込んでいるのがわかります。

 
他の昆虫と共生しています。クモが獲物を狙っています。

 
 セセリチョウの仲間もよく訪れます。ダイミョウセセリです。

 


オジロシジミが,どうやらクモに捕まっている様子。白いクモが,花の奥に隠れているみたいです。シジミチョウはほとんど身動きしなくなっていました。突然襲われ,被害に遭ったのです。 

 
翌日見ると,もう花は枯れ,オジロシジミの死体が哀れな格好でそのままありました。すぐ近くに,ガの死体が引っかかっていました。それもクモにでもやられたのでしょう。

 
脇にある花で,前日オジロシジミを襲ったクモが目にとまりました。やはり花の奥に身を潜めているのです。褐色斑点と白い体色の組み合わせは,身を隠すのにぴったり。訪花昆虫は,まさか外敵がいるなんて思いも寄らないでしょう。

 
せっかくなので,小さないたずらを。花から追い出して写真を撮りました。調べると,アズチグモとか。

 
いのちある限り「生きる」というのは,意識するしないにかかわらず常に生死の境をゆくということです。運・不運,幸・不幸,観察を続けていると,それらのいろんなかたちが伝わってきます。ふと立ち止まって考えてしまいます。

ブットレアは,いのちの物語をさまざまに提供してくれます。