自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

モンキチョウの寄生バチ(中)

2015-07-19 | 昆虫

ほんのしばらくしてから見ると,葉から糸を垂らして釣り下がっている状態でした。そうしながら,盛んに体を動かしているのです。「このまま地表に降りて蛹化するのかな。その前に写真に収めておかなくちゃ」と思い,急いで撮影しました。


ところが,動きを見ていると,それ以上下に降りようとしません。その位置のまま,口を盛んに動かしているのです。動かしながら糸を吐き続けました。


「そうか,繭を作っているのか」と気づくまでにはしばらく時間がかかりました。

時間が経つにつれて,繭の厚みが増していきます。葉からぶら下がった繭なので,全体の厚みを均一に整えていくために,時折からだの向きを上下入れ替えました。それがまた,なんとも巧みに!


そのうちに,次第に中が見えなくなっていきました。


時間をおいて見ると,表面には黒い紋様ができていました。


そのでき方については観察していないので,なんともいえません。じつに規則正しい紋様です。完成後の姿は,長さ5mmの整ったカプセルといった様子です。

このようなものを自然界で見かけたことがないので,ふしぎな気持ちになりました。「こんな繭をこんな場所に作る昆虫がいるのだろうか」「もしかすると,地表で作るのが,たまたまこんなところになってしまったのかも」「いったい,どんなハチが出てくるのだろうか」。そんな疑問です。

それで,成虫を確認しようと思い,葉ごと採集して観察用プラスチック容器に入れておくことにしました。