自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

オドリコソウとヒゲナガハナバチ

2014-04-29 | 昆虫と花

オドリコソウの群落に入ると,ほんとうに所狭しとばかりに生え,花が咲き揃っています。花の白さは葉に遮られてさほど目立つわけではありませんが,上品で端整な美しさを感じさせます。

花が多くても,訪れる昆虫の種類は多くはありません。しばらくそこにいると,「あー,やって来た!」と嬉しくなる程度の訪花ぶりなのです。

羽音が聞こえました。そちらに目をやると,ヒゲナガハナバチの一種と思われるハチがやって来ました。花に降り立つ前から口吻を伸ばして,蜜を吸う準備をしているのがよくわかります。食欲の旺盛さを物語っているようです。 

 
花に頭を潜り込ませると,ご覧のとおり,すっぽりからだを差し入れた姿勢になります。口吻が精一杯に伸ばされていることでしょう。この姿勢のお蔭で,受粉が滞りなく行われるというわけです。


脚場に脚をがっちりつなぎとめています。長いヒゲ(触覚)が花から突き出しています。 花のかたち適応してからだを発達させてきた,この種のハチの生命史を感じます。 おみごとです。

 


ジャコウアゲハ観察記(その294)

2014-04-29 | ジャコウアゲハ

羽化の瞬間を何度見ていても,まさにそのときという時刻を当てるのはわたしにはできません。それに,時季の問題もあって,羽化の準備を終えたと思っているのに,なかなか殻から出てこない場合もあります。

「準備完了だ」と推測してから30分で出てくることも,逆になんと6時間も経たなくては出てこないこともあるのです。それで,そのタイミングを逃してしまい,ガッカリしてしまうことがなんと多いか!

下写真など,がっかりした例の一枚です。じっと待つこと6時間余り。


目を離した5分の間に羽化済み! もう,がっくりですね。  

 
下写真は出てくるときを撮ることはできましたが,殻が裂けた瞬間は見逃しました。羽化時の連続写真を撮ることはほんとうにむずかしいものです。夜だと,睡魔との闘いにもなります。自然の成り行きに自分を合わせるのですから,なんともたいへんです。

 
生まれたばかりの成虫は,ストロー口をウォーミングアップします。このとき,先が二股になっていることが確認できます。やがてこれが一つになります。眼に水分が玉になって付着しています。赤子を連想させます。


自然の有り様に自分を合わせるのは,こういう場合はたいへんですが,大きな発見と感動がいつも待ち受けていることを思うと,それはそれでまた苦労が激減するというものです。