4月3日(木)。昼前,我が家の庭にアゲハが舞っていました。アゲハの季節が訪れたのです。そう思って,居間においている飼育箱を見ました。すると,蓋に付いたアゲハの蛹のうち,一個体が透明感を増しており,翅が透き通って見えました。ラッキー! 「これは羽化間近だ!」と直感。それから,ときどき様子を確認していくことに。
そのまま夜に入りました。この日の夜羽化するだろうと思われたので,とりあえず直前の姿を写真に収めておきました。
それから10数分後のこと。ファインダーを覗いていると,からだがピクッピクッと震えました。まったく偶然の目撃でした。「あっ,羽化が始まるぞ!」と思い,妻を呼びました。
すると,予感どおり! なんと幸運なこと! 頭部の殻が裂け始め,中からからだが見えてきたのです。
間もなくスルスルッという感じで,からだが出始めました。それからはじつに滑らかです。ぜんたいが殻からすっかり出ました。
そして上に動いて蓋に脚をかけました。あとは横に移動して,静止しました。
しばらくすると,翅が広がってきました。キアゲハの春型です。無事に誕生したようです。蓋はツルツルしているので,その後アゲハにはからだを保つことがむずかしいようで,何度か落下しました。それで,木の枝に付けてやりました。これで落ちなくて済むようになりました。
4月4日(金)。早朝に見ると,枝にとまったまま翅を広げていました。なんともみごとな姿に見えました。
頭部周辺を撮りました。
複眼を部分拡大すると,意外な世界が広がって見えます。個眼が整然と並んでいます。
今回,羽化直前の個体を確認し,その日のうちに羽化が観察できました。妻と二人で,誕生の前後の様子を見届けることができたのです。幸先のよい,アゲハシーズンの始まりとなりました。