hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

制作挿話その1

2015-12-04 00:17:33 | 日常
新しいCDが今月末に発売できることになった。

このCDはちょうど2年前、38歳の私が、今の自分自身を記録して、まずは40代の私へのみやげにしようと考えたことに端を発した。

30代の活動の中で、特に印象に残った作品や演奏会の中からCDとして収めようと考え、私にとって公私共に忘れられない演奏会の一つとして、2012年10月31日代々木上原のけやきホールで開催された「ピアノと3本のサクソフォンによる演奏会」があった。

その年、私はサクソフォンフェスティバルの実行委員長を務めていたが、9月の会合の際、実は始まる直前に病院から母が倒れて入院したとの連絡を受けた。

その日から、いつもの仕事に加えてフェスティバルの用務、母の世話に追われながらこの演奏会を準備して迎えた訳だが、リハーサルから終演まで、共演者には多分に気遣ってもらって、皆と一緒にいる時には現実を忘れ、気分良く幕を下ろすことができた。

そこで、その演奏会で取り上げたフォーレの「ドリー」と「ピアノ四重奏曲第一番」を同じメンバーで収録することに決め、ディスクタイトルも感謝の気持ちを込めたものにしようと考えた。