hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

ステージの立ち位置

2014-08-05 23:29:58 | 尚美
6月の尚美体験入学ミニコンサートの模様が尚美Net-TVから公開された。

歌劇「サトコ」より「インドの歌」/ ニコライ・リムスキー=コルサコフ

抒情小曲集(ピアノ独奏曲 第10集)より「むかしむかし」、「森の静けさ」 / エドヴァルド・グリーグ

天国の月(La lune en paradis)/ 長生 淳

サックスに限らず、多くの管楽器奏者がピアノとのデュオを演奏する際、ピアノの蓋の前に立つことが多いが、フルートやヴァイオリン、ヴィオラ等はピアニストの前や下手側に立つことが多い。

奏者が中央に立てばステージの見栄えが良く、また金管楽器など、音の指向性がはっきりしている楽器などはピアノとの音色を混ぜやすいという利点があり、私も学生の頃から疑いもせずその様な立ち位置で演奏していた。

一方、フルートやヴァイオリンなどは、楽器の構え方の問題から、目線が自身の右側よりも左側の方が見やすく、ピアニストとのコンタクトを取りやすい理由から下手側に立つのかと思う。

近頃、私も実験的に下手側に立っているのだが、時折ピアノの音が聴きづらいことがあり、音色のブレンドはかなり難しいのだが、しかし中央に立った時にはピアニスト本人よりもピアノの音が聴こえ過ぎてしまって、逆に吹きすぎてしまうことが多く、その点下手側に立つと、客観的な音量バランスを考えることができ、またピアニストとの距離が近い分、手の動き、譜めくり、呼吸をつぶさに感じることができるので、「ピアノに合わせる」ことは難しいが、ただ「ピアニストに合わせる」ことは容易になった。

おそらくピアニストにとっても嗜好や印象の違いが色々あるのではと思う。