虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

日本SFの巨人 小松左京 逝く

2011-07-28 | 読書
今日、ネットのヤフーニュースで知った。26日に小松左京、ついに亡くなった、と。80歳。
晩年は、病気になって、自由にペンを使えなくなっていたとか、阪神大震災からうつになった、とか聞いていたので、心配していた。この人こそ、100歳になっても200歳になっても、人類の未来について書きつづけてほしかった。

わたしが、SFに興味を持ちだしたのが、小松左京からだった。昔、SFマガジンに毎号、小松左京の短編がのっていたが、どれもおもしろかった。その頃は、SFという言葉もまだ市民権を得ていなかった。SFがいっきに市民権を得て、ハヤカワ書房以外の出版社からも続々と出るようになったのは、「日本沈没」がベストセラーになってからだろう。それからの小松左京は、未来学、万博の企画、テレビへの出演などなど、猛烈な働きぶりだった。外での活躍に比べて、小松の本格SFが減ってきたようなので、ちょっと残念に思っていた。

小松の最高傑作は「果てしなき流れの果てに」だと思う。たしかテスト前日に本屋さんから新発売された。テスト前日なのに、もちろん、一気に読んでしまった。このころは、スピルバーグとかのSF映画などもない頃で、巨大な宇宙船が日本の上空に飛来するシーンなどは興奮したものだ。

短編にもすばらしいものがある。たとえば「お召し」。12歳以上の大人が突然、消えてしまう話。子供達だけで、社会をつくりあげていくのだが、後年の「日本沈没」や「首都焼失」の先駆をなす名作だ。

小松左京といえば、肥満体で、エネルギッシュな風貌だったが、いつのころからか(阪神大震災からかな?)、痩せた風貌に変わっているのを見てショックを受けた。

探偵小説では江戸川乱歩の功績が不滅なのと同じように、SFでの小松左京の功績も不滅だろう。

小松左京よ、ありがとう!

                                 合掌





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