らんかみち

童話から老話まで

フクロウの森で鹿が狩られた

2014年12月04日 | 暮らしの落とし穴
               

 地元のハンタさんが鹿を仕留めたらしい。2年前に鹿の目撃情報はあったけど、だれもが眉唾だろうと思った。この島に鹿がおるわけがない、という人もいる。それもそのはず、昭和20年代当時の航空写真を見ると山の上まで段々畑だった。

 1667年の資料によると、近隣の島からも人が動員され、総勢1000人で猪鹿狩りをし、鹿45頭、猪24頭を得たという。当時、藩内の武士が所有する鉄砲より、農民の所有する鉄砲の方が多いケースもあったらしい。農民は猟師も兼ねていて、野生動物を狩って食べていたんだね。

 農村の鉄砲によって猪や鹿の数が調整されていたのに、太平洋戦争後の進駐軍による鉄砲狩りで農村から鉄砲が一掃されると、再び野生動物たちの隆盛が始まる。当地ではその時期にみかん栽培が盛んになって鹿や猪の住むところが無くなっただけのこと。

 山中をウォーキングして驚くのは、どんなに山深い場所に分け入っても道があって人工的構造物があること。たかだか半世紀ほどで人が激減して農業が廃れ、野生動物が激増したんだねぇ。
 猟友会も高齢化したし、ハクビシン、アライグマなどの新手も来ているかもしれない。写真には撮れなかったけど、山の中でフクロウを見てしまった。この上に猿までが渡ってきたら手の打ちようが無くなるぞ!