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善本秀作「石狩の夏」 旭川の野外彫刻(30)

2021年02月24日 07時57分32秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 買物公園の起点にある「手」の近く、ロータリーにつながる短い道路「8条斜線」の歩道の植え込みに設置された立像です。



 麦わら帽子をかぶり、ブラウスを羽織った裸婦像です。

 顔を少し上げ、左手と左足を前に出していまにも歩き出しそうな動感をたたえています。
 後ろ側の右足は、かかとが軽く台座から離れています。
 清新でさわやかな印象があります。

 186 × 50 × 40センチ。
 1976年の日展で特選を受けた木彫をブロンズ化したもので、87年に八条斜線の改修に伴って設置されました。

 旭川に設置されているのになぜ石狩なんだよ、という人もいそうですが、旭川も旧石狩国の中なのでオッケーなんだと思います。


 『あさひかわと彫刻』によると、善本秀作さんは1934年(昭和9年)、神楽町生まれ。
 当時は神楽村。戦後、町制施行しましたが、神楽町は68年に旭川市に編入されました。

 西神楽中を卒業後、京都や富山県で仏像彫刻を修業しました。
 1969年に日展に初入選したあと、日展と日彫展を中心に活動しました。
 83年と98年には西武旭川店で個展を開いています。
 中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館には、75年に日展で特選になった木彫「薫風」が寄贈され、所蔵しているそうです。

 仏像彫刻で有名な井波彫刻のサイト(富山県福野町)によると、1986年に北見市高台寺、釈迦十大弟子とあります。
 寺に奉納された木彫って、これまでぜんぜん考えたことなかったなあ。
 見たい…。

 2018年歿。

 4枚目の画像を見ると、「手」との位置関係がわかると思います。

 市内神楽町のごりょう公園に「黎明の宙」という作品もありますが、今回の探訪では見に行っていません。


 ぜんぜん話は変わりますが、作品のまわりにある赤と白の棒は、除雪作業時の目安だと思います。
 これがないと、ブルドーザーで雪山と彫刻をいっしょに倒しかねないのです。






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