北海道美術ネット別館

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千葉康之展(4月24日まで)が描く本州と北海道の風景

2006年04月20日 23時19分08秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 千葉さんは1941年、空知管内奈井江町生まれ。会場の経歴には書いてありませんでしたが、北海道新聞などによると、本職はアニメの背景担当で、これまで「アタック№1」「名探偵ホームズ」など数々の作品に携わってきたということです。ちなみに、ググると、あの宮崎駿が70年代前半に脚本を担当した名作「パンダコパンダ」でも背景を描いていたんですね。とはいっても、今回の、道内では初めてとなる個展は、アニメとは直接関係なく、穏やかな写実的画風で、道内外の風景を描いています。静物、人物は1点もなく、50点ほどすべてが風景画です。
 派手さはないですが、堅実で、とくに光と空気感に敏感なところが、筆者の好みです。これは、そう思って見るからなのかもわかりませんが、本州の村を描いた絵と、北海道の風景とは、やはり微妙に描き方が違うような気がします。つまり、本州のほうが光が明るく、どこか大気が湿り気を帯びてかすんでいる一方、北海道のほうがやや光が弱く、空気は乾いてどこまでも澄んでいる…、そんなところまで念入りに描き分けられているように思われるのです。長野県の飯山市、上高地、奥会津といった本州の風景は、遠景が、北海道のそれよりも、うっすらぼけて見え、その代わりどこかあたたかです。
 筆者は、川べりの、なんでもない家と河岸段丘を描いた「惜秋(釧路市)」や、道端や畑が題材になっている「彼方へ(美瑛)」といった作品が好きです。寂しげな光の調子や、本州のものより大振りな蕗の葉などが、いかにも北海道らしさをにじませているからです。

4月18日-24日 10:00-20:00(最終日-18:00)
三越札幌店(中央区南1西3)


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
千葉康之先生 (まか)
2018-03-18 15:39:41
初めまして、まかと申します。ネットを検索していてふと千葉康之先生のことを思い出して検索してみたところヤフオクでリトグラフが出品されていて、正直あれ、こんな絵だったっけて思ったのですが、あまり画家としての千葉康之先生の絵を見たことがなくネットで検索していてここにたどり着きました。買うほどのお金もないのですが、どこへ行けば先生の絵が見られるのでしょうか?ご存知でしょうか?よかったら返信くださるとうれしいです。
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こんにちは (ねむいヤナイ@北海道美術ネット別館)
2018-03-18 17:06:03
コメントありがとうございます。
正直なところもう12年も前のことなので、全く記憶がありません。お役に立てずすみません。
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千葉先生 (まか)
2018-03-20 22:54:57
こちらこそコメントありがとうございます。だいぶ昔のことですからね。こちらもあれって思ったので。
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