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オホーツク小さな旅(23) 山の水族館と郷土館

2010年10月30日 07時07分07秒 | つれづれ日録
承前

 筆者がどうしても見たかったのは、ジオラマであった。
 ジオラマが好きなんだから仕方がない。

 山の水族館に隣接する、というか、館の一部を占める「郷土館」で、いちばんの見どころだと思う。
 ジオラマ以外は、郷土館の展示内容は、道内のどこの市町村にもある類似施設とほとんど変わらない。エゾシカやヒグマの剥製があり、戦前の民家の再現があり、かまなど古い農具が並んでいる。

 ジオラマは15分おきに、上部のマルチスクリーンが上映され、留辺蘂るべしべ町の四季が多彩な映像とナレーションで紹介される。それが終わると、森林鉄道の模型が、留辺蘂-温根湯-滝湯-イトムカ間を往復し、三つの温泉郷から白い湯気が上がるのである。
 







 これは、留辺蘂地区。手前に貯木場がある。

 イトムカは、滝湯からさらに石北峠側にあり、かつて東洋一とうたわれた水銀鉱山があった。
 数千人が住み、小学校が二つもあったが、1970年代前半に採掘が中止された。

 東西にながーい留辺蘂の特質を生かしたジオラマだと思う。
 実際、50年代まで、町内の山間部には森林鉄道が計何十キロも線路を張り巡らせていたという。洞爺丸颱風で生じた大量の風倒木を運び出すため留辺蘂から石北峠附近まで線路が延びていたのだ。

 ただし、細かいことをいえば、北の方にある瑞穂や金華といった地区はこのジオラマでは無視されてるんじゃないか-いう気がしないでもないが。


 以前書いたように、山の水族館はこの冬からリニューアル工事に入る。
 こんど新築される建物は現状より規模が小さいので、このジオラマが残るかどうかはわからない。
 なので、急いで見に来たというわけだ。




 温泉水族館の2階の休憩室。

 晩秋の月曜とあって、だれもいない。
 
 窓の外を見ると、枯れ葉が風に舞い散っているのが見える。

この項続く


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
面白い展示 (怜な)
2010-10-30 07:49:50
当時もそうだった風景を見て、そのころを知る展示でしょうか。
「ジオラマ」、来年も残って欲しいですね。
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ジオラマ (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2010-10-30 21:25:39
再開は2012年なのですが、残るかどうか微妙ですね。
返信する

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