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■3日間だけのことに美術館 (2013年11月9~11日、札幌)

2013年11月11日 11時11分11秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 西区民センターの会議室に、個人蔵の版画、油彩を30点並べた展覧会。区民センターなので、もちろん販売ではありません。
 ふだんは展示しているものではないので、すべて小品とはいえ、貴重な機会だといえそうです。

 30点の内訳は、フランスが3点、国内27点。
 国内は、
オノサト・トシノブ 5点(シルクスクリーン)
畦地梅太郎 9点(木版画)
友成晴雄  1点(油彩)
田辺三重松 1点(油彩)
国松登   2点(油彩)
岩船修三  2点(油彩)
松島正幸  3点(油彩)
菊地又男  1点(油彩)
伊藤仁   1点(油彩)
平間正造  1点(油彩)
小野州一  1点(リトグラフ)
となっています。

 余計な解説を付け加えますと、オノサトは戦後日本を代表する抽象画家のひとり。幾何学的な画風が特徴です。
 道内では、札幌宮の森美術館が所蔵してませんでしたっけ? ほかには見た記憶がないです。

 畦地梅太郎は、山登りを主題にした作品で名高い木版画。山男のひげを黒い縞模様で表すなど、素朴で大まかな作風が特徴です。百貨店の展覧会などで時々見ます。

 田辺三重松、国松登、岩船修三、松島正幸の4氏はいずれも全道展創立会員で、戦後の道内を代表する洋画家たちです。
 田辺は行動美術の創立会員。「秋の牧場」。
 国松は、代表的シリーズ「氷人」と、「小樽公園」。後者は、サイン横に「1932」と記されており、初期の風景画のようです。
 岩船は函館画壇の代表格でメルヘン調の画風で特徴。
 松島は独立美術会員ですが、おだやかな日本的フォーブといった画風。「雪の札幌・大倉シャンツェ」は1949年作とのことで、市内に高い建物がほとんどありません。

 菊地又男は新道展創立会員で、「反骨の画家」ともいわれた抽象画家ですが、今回は「秋郊(阿寒)」という1950年の作。菊池さんの穏やかな風景画というのは、珍しいのではないでしょうか。

 伊藤仁さんは「ニースのアパルトマン」。道庁赤れんがなど道内の写実的な風景画で知られています。

 平間正造さんは、一線展、純生展の会員で、旭川の方のようです。油彩「知床五湖」。

 小野さんはパリや富良野にアトリエがあった画家(全道展会員)です。石の蔵ぎゃらりいはやしの入口に、しゃれた版画が掛かっているので、ご存知の方も多いと思います。今回は「海と建物(ベニス)」。


2013年11月9日(土)~11日(月)午前10時~午後4時
西区民センター(札幌市西区琴似2の7)



・ジェイアール北海道バス、中央バス「西区役所前」から約280メートル、徒歩4分
・地下鉄東西線「琴似」駅から約500メートル、徒歩6分


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